「技術は然り、必要なものは心」

道具の使い方も、木の読み方も、施主との向き合い方も——すべては「心」に通じる。
師である宮大工棟梁から受け継いだ言葉であり、たまい工務店の仕事の根幹をなしています。職人の仕事は、形に残る。その形が依頼してくださった方の暮らしに寄り添い、次の世代へと息づいていくために、技術と同じだけの心を注がなければならない。優れた職人は、技術を持っているだけでなく、その技術で何を伝えるかを知っている。技術は、心を伝えるための手段。私たちはその信念を、一棟一棟の仕事に込めています。

大工という仕事の、本来の幅

宮大工、町屋大工、一般住宅の大工——現代ではさまざまな呼び名で分類されていますが、どれも「日本の大工」という一つの仕事です。木を深く知り、木と対話しながら、人が暮らすための空間をつくる。その本質は、一般のお住まいであっても、神社仏閣であっても、変わるものではありません。

かつての日本には、地域ごとに気候を熟知した大工棟梁がいて、その土地に合った家を手がけてきました。神社仏閣の建設には白衣をまとった職人一家が集まり、棟札に名を刻み、技と誇りをもって臨んでいました。それが日本の建築文化の根幹でした。たまい工務店の作業服が白を基調としているのも、そうした先人への敬意のあらわれです。

人と人が向き合う場所で、家を建てる

たまい工務店が一般住宅を主に手がけてきたのには、理由があります。
それは、目の前にいる施主さんと直接向き合いながら、話を聞き、思いを汲み取って形にしていく——その過程こそが、家づくりの醍醐味だと考えているからです。

設計から材木の仕入れ、現場の施工まで、家づくりには、いくつもの工程があり、それぞれに大切な役割があります。当社では、その工程を一貫して担うことで、依頼してくださった方の思いを丁寧にくみ取り、細かなニュアンスまで大切にしながら形にしています。

技術を次の世代へ渡すために

当社はとても小さな工務店です。一人の職人として向き合える仕事の数には、自ずと限りがあります。それでも、この技術と思いを次の世代へ伝え、バトンを渡していきたい。時代が変わっても、政治や環境がどう動いても、本物の家づくりを知っている人間が地域にいる——そのことが、これからの暮らしを守ることにつながると信じています。

人は人によって磨かれ、自然に成長させてもらう。木も、人も、そうやって強くなっていく。たまい工務店の仕事は、そういう循環のなかにあります。